先週、冬のマイアミビーチに滞在していました。インディアナと正反対の青空と青い海、白いビーチ。こんなホテルで四日間も学会を開いてくれるなんてASTSには感謝しなければ。
肝心の学会はASTSのWinter Symposiumという学会でした。セッションの大部分をフェローやスタッフになりたてのジュニアアテンディングを対象にした教育的な内容が占めていて、学会というより教育セミナーのような感じ。
毎日夕方から夜にかけて、ポスターセッションがあったのですが、皆んなワインを片手にそれぞれ気になった発表を聞いては議論していくという斬新な形式。お酒が入っているため(?)質疑も活発に行われていました。日本の学会もポスターセッション、ガチガチに発表時間決めずにお酒でも飲みながらやったら面白いのに、なんて。学会を完全英語化したために、質疑応答が盛り上がらず、演題も集まらない肝胆膵外科学会なんて、どうですかね?ポスターセッションを夕方にして、ワインでも振舞ってみては?アルコールが入る分余計な羞恥心が消えて、意外と英語でも質疑が盛り上がるかもしれませんよ?
1日目の夜は、“移植外科の父”ことトーマス・スターツル先生の一生を追ったドキュメンタリー映画“Burden of Genius”の上映会で締めくくられました。肝移植黎明期から今の肝移植を確立したスターツル先生の半生を家族、同僚、患者さんのインタビューを交えて振り返る内容で、今だから話せる際どいエピソードもあり、移植外科医として必見の内容でした。この映画、全米公開はされておらず、全米各地の映画祭で短期上映をしながら回っているそうです。今年DVD化もされるとのこと。日本語字幕版も作成されたら、移植外科のプロモーションにとても役に立ちそうです。
3日目の夜は、全員参加のパーティーがホテルのプールサイドで催されました。アメリカの場合、こういうクローズドな学会のパーティーはネットワーキングの場としてとても有用だったりします。あちこちでお互いのプログラムの情報をフェローが共有していたり、リサーチの話で共同研究を持ちかけていたり、改めてアメリカのアカデミアで生き抜くための社交性の大切さを思い知りました。そんな中、知り合いにしか声を掛けられない社交性0の私はというと… 大きなプログラムのディレクターの周りに張り付いては他の参加者と記念写真を撮るタイミングで「僕撮りますよ?」と言って会話の輪になんとか入れてもらったり、一人ポツンと佇んでいる明らかに仲間の匂いがする外国人フェローに話かけたりするので精一杯。アメリカ人フェローが積極的に他のプログラムのスタッフ達に話しかけてネットワークを広げていく様子を見ては、それはそれは歯痒い思いをしたのでした。
一緒に参加したスタッフいわく、自分の論文があったり、学会誌によく目を通して“あの論文を書いた○○先生ですよね?”と言って話しかけるのがコツなんだそうな。このスタッフは学会賞をとってスピーチするは、教育セッションで質問しまくるは、良い意味で目立つ存在だったのですが、案の定パーティーでも社交性を発揮し次々にリサーチの話を進めていく。彼の姿勢からは非常に多くを学んだ気がします。(これは実践が大事… 論文を読むのも書くのも日々の一行、一本から、全て積み重ねですね)
土日の部は午前中だけだったので、午後は会場周辺のビーチに行ってみました。
こちらはホテル滞在者用のビーチ、プールです。何度も言いますが、1月のマイアミビーチ、最高です。ただ、ハイシーズンだけにホテル価格も高騰していて、会場になったホテルは一泊450$からという強気価格。貧乏フェローにそんなお金はないので、会場近くの1泊30$のドミトリーに滞在していました。ドミなんて学生以来。
こちらはマイアミの美味しいものシリーズ。
一番上はキューバ料理。ポーク、チキンともボリュームがすごい。マイアミは海に面しているだけあって、魚が美味しいです。魚介類不毛の地、インディアナでは辛うじてサーモンとマグロが食べられるくらいなので、これには感動しました。上からブイヤベース、マグロとアボカドのタルタル、ピニャコラーダ(確か)。何度も言いますが、1月のマイアミビーチ最高です。
最後にこちら、パブリックビーチにあるマッスルパーク。本家のベニスビーチに比べるとだいぶ控えめですが、パブリックビーチにも筋トレ器具が用意されてるあたり、さすがアメリカです。